姿勢が悪いのはあなたのせいではありません。きちんと整理された情報がないのです。中途半端なわかりにくい情報があふれすぎています。
なぜ今までできなかったのか、わからなかったか、なぜ自分がこれだけ時間がかかったのかについて考えてみました。かなり理屈っぽいです。(具体的な方法は次回以降)
正しい姿勢の常識は因果関係が逆
どうすれば良い姿勢になりますか?色々聞いたことありますね。
- 背すじをのばす
- あごをひく
- 肩甲骨を寄せる
- 胸を開く
あと、姿勢をよくするためにやっちゃいけないシリーズもありますね。
- 猫背にならない
- 前かがみにならない
- 肩の力を抜く(力を入れない)
正しい歩き方になるともっとたくさんあります。
- 歩幅を広く
- 腕を大きく振る
- 脚をひきずらない
- ヒザを高く上げる
難しいところでは
『ヒジを前に振らず、後ろに引くようにする』とかもあります。
上にあげたような点がすべてできていれば誰でも必ずよい姿勢になるでしょうか?
答え:なりません
因果関係が逆だからです。
上にあげたものはすべて結果であって、原因ではありません。
腰と肩が入っていれば姿勢が良くなります。姿勢を良くすれば腰と肩が入るのではありません。
逆にいえば、
『腰が入って』『肩が入って』いれば、必ず骨盤の角度が正しくなり、背すじが伸び、美しく歩け、無駄な力が抜け、呼吸がしやすく、きびきびと動きやすくなります。
だから考えなきゃいけないのは、『腰と肩を入れる』コツです。
たった2つだけです。
このふたつに絞れば、意識を集中するのが2か所だけなので、そんなに難しくないです。
『腰が抜けて』いて、『肩(の力)が抜けて』いるから
なお『腰が入っている』けど『肩が抜けている』ということはありえません。このふたつは両立しかできません。
今、まあまあ『腰が入っている』と思っている人は、意識して『肩を入れる』と、『腰が入っている』感覚がもっとはっきりくっきりわかるはずです。
ちまたの運動指導の問題点
正しく立てるのが前提になっている
ラジオ体操をはじめ、ちまたにはたくさんの運動の情報があふれています。
運動不足解消、老化防止、部分痩せ、痛みの予防や改善が目的とされています。
言っていることはわかるんです。確かに効果があるでしょう。
正しい姿勢で行えば。
でも『腰と肩が抜けた』姿勢で行えば効果が期待できないばかりか、どこか痛めてしまうでしょう。
肩とか、腰とか、ヒザとか。
対象となる悩みがありながら、お金を払わずタダで楽して解消しようと考える人はたいてい『腰と肩が抜け』ています。(タダで楽しようと考えるのは悪くありません、その方法もあります)
でも、インストラクターは必ず最初にこう言ってます。
”はい、背すじを伸ばして正しく立ってください。”
これができないのですよ。世の中の大多数の人は。特に、中高年は。
できてりゃ運動不足にならないし、老化もしないよ。そもそもヒザや腰は痛くなりません。

姿勢よく正しく立てればこんなポーズは楽ちんです
テレビで活躍するようなスポーツインストラクターは、運動のエリート中のエリート。
「きちんと立つ」ことさえままならない、わたしのような運動のおちこぼれ、底辺の人間の気持ちや身体の状態なんてわからないのです。
よくありますよね。専門家の話。
内容が理解できないけど、質問もできない。何がわからないのかわからない。
専門家は、こっちがなんでわからないのかわからない。
『○○しちゃいけない』ではわからない
子育てや、ドッグトレーニングの大原則。
『○○しない』は『○○して』という肯定文に言い換えます。
例えば、犬が立ち上がって人に飛びつくのをやめさせたいとします。
『だめ、だめ~!!』『立つな!』
これでは犬はどうしていいかわかりません。偶然やめることはあるかもしれませんが。
そうではなくて、『お座り』と指示を出します。
すると、犬は座ります。結果、飛びつくことをやめてくれます。
これだけではちょっと足りなくて、座ったら『よし、いい子』と言葉でほめて、ご褒美のおやつを与えます。
ここまでやると、座るという行動が正しかったということを、犬が理解できます。徐々に飛びつかなくなります。
YouTubeから、ヨガインストラクターの声掛けを拾ってみました。
- 背骨を長く伸ばします
- 前を見て長い背骨を感じましょう
- 上に気持ちよく伸びて
- 腿の裏側へと呼吸を送る
- 足元強く土台を安定させて
- お腹をひきあげて
- 長い背骨を作り出す
- 胸を広げながら
- お尻を後ろに高くつき上げ、前の足と胸をできるだけ近づける(前屈)
- かかとから頭一直線
- かかとをマットに近づける
- 腰から背骨を長く
- 上体を右真横に傾ける。左腰外側わき腹から気持ちよい伸び、心地よい呼吸
- 上体が前に傾かないように
- 脇をしっかり締めて
肩と腰が入った状態であれば、体の動きをマネするだけで、先生の言うことはすべて体感できるでしょう。
しかし、できない人が正しくできるようなアドバイスになっていません。
○○しない
側屈のときの声掛け、「上体が前に傾かないように」
この時、上体が前に傾いているということは『肩と腰が抜けている』のです。やるべきことは、上体を後ろに引くことではなくて、『肩と腰が抜けている』状態を修正することです。
肩と腰が入れば、上体は勝手に真横に傾きます。
「上体が前に傾かないように」ということばは、「上体が前に傾いている人は肩と腰が抜けていますよ」というアドバイスとして解釈すると役にたちます。
抽象的な表現
『背筋を伸ばす』『背筋を感じる』『お腹を引き上げて』などは、表現が抽象的で、できない人にはわかりません。できている人にはわかります。
なので、このセリフもできていることの確認にしかなりません。できるようになることには役立たないでしょう。
意識するポイントがぼんやりしている
『かかとをマットに近づける』
かかとって大福くらいの大きさがありますね。しかも平ではなくて、バランスボールのようなものです。
かかとのどこを、どういう角度で地面に置くかをピンポイントで◎を狙わないと、前寄りや後ろ寄りになったり、左右どちらかに傾いたりしてしまいます。
ちなみに、中年女性は①前寄りになりやすく、猫背の男性は④後ろ寄りになりやすいです。O脚の人は外側(小指側③)寄りで、X脚の人は内側(親指側②)寄りです。
犬のお座りでたとえてみる
このように、一般的な体操の指導は、できない人にとってとてもわかりにくいです。できる人にはわかりやすいけど。できるようになってからわかるのでは遅い。その前にくじけるってば。
犬にお座りをさせたいと思います。こんな言葉がけはどうでしょうか?
- 「ひざを折ってお尻を地面につけます」
- 「鼻は首輪の高さより高く」
- 「前足は地面から浮いていませんか?」
「ひざを折ってお尻を地面につけます」と言われて、伏せちゃう犬がいるかもしれません。
「ヒジが地面に近づいていると気づいたら肉球で力強く地面を押してください」これで直ります?ややこしすぎます。
『腰と肩を入れる』たった2つのコツ
『腰と肩を入れる』たった2つのコツは次回以降。
ご安心ください。無料です。セールストークで引っ張っているのではなく、考えをまとめるのが大変なだけです・・・
『腰を入れる』ことと『肩を入れること』
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